大分暖かくなってきて、今週始めくらいから朝方、鶯の谷渡りも聞こえてきたというのに、3月16日には霙がちらほら。19日なんか最低気温が2℃とかでしたね。寒くてふとんから這い出るのが一苦労でした。
さて、入院4日目、やっと脳神経外科へ引越しです。
下垂体腫瘍闘病生活記 もくじ
下垂体腫瘍闘病生活記 カテゴリ全部
●下垂体腫瘍闘病生活記01【プロローグ】
●下垂体腫瘍闘病生活記02【8月23日 精密検査(前編)】
●下垂体腫瘍闘病生活記03【8月29・30日精密検査(後編)】
●下垂体腫瘍闘病生活記04【新しい病院へ】
●下垂体腫瘍闘病生活記05【内分泌内科入院1】
●下垂体腫瘍闘病生活記06【内分泌内科入院2】
●下垂体腫瘍闘病生活記07【脳神経外科入院1 11月13日】
●下垂体腫瘍闘病生活記08【脳神経外科入院2 11月14日】
●下垂体腫瘍闘病生活記09【脳神経外科入院3 11月15日】
●下垂体腫瘍闘病生活記10【脳神経外科入院4 11月16日】(このエントリ)
【11月16日(木)(入院4日目)】
今日の予定は
・脳神経外科への引越し
・手術についての説明会
だ。
引越しとMRI
引越しの準備で昨夜夜更かしをしていたので、6時に目が覚めるも、そのまましばらくまどろんでしまった。
朝担当の看護師さんに「よくおやすみになられていましたね」と声をかけられる。
引越しは10時かららしい。
準備は終わっているので楽勝だ。
と思ったのもつかの間。
いざ10時になって引越しのお呼びがかかるかな?と思いながら待ち構えていたら、MRIに呼ばれる。
MRIは予定的にはまだ先だとばかり思っていたのでビックリだった。
引越し荷物は私がMRIを撮りに行っている間に、看護師さんがワゴンに載せて先に引越し先に届けてくれるとのこと。
私は他の看護さんとMRセンターへ。
その間に前回の負荷試験入院でお世話になった内分泌内科の主治医の先生にお会いする。
「ごめんなさいねぇ、ベッドがなくってこんな脳外科から遠いところに・・・」
などと恐縮されてしまった。
無事手術が終わったらまたお世話になるのでまたよろしくお願いしますをしてお別れした。
MRセンターに着いて、案内役の看護師さんとはお別れ。
「MRが終わってから(脳外科まで)お一人ですが、大丈夫ですか?心細くないですか?」
と心配してくれた。
なんか、内分泌科の看護師さんって、こんな感じでみなさんやさしいのだ。
MRIの検査が始まる。
前回、MRIを撮った時(前の病院)には、リラックスできるような最新的な施設だった。
部屋の壁には風景画が描かれ、防音にはヘッドホンを用い、常にクラシックがかかっている、というような感じ。
1時間程度狭い検査機器の中にいるので、患者にストレスをなるべく与えないようにとのことだろう。
しかし今回はいわゆる普通の検査室らしい検査室。悪く言えば殺風景だ。
防音対策もヘッドホンではなくて耳栓だった。体の固定もあまりきつくはなかった。
けど、別に閉塞完とか、そういうのはなく、技師さんたちもしっかり仕事をしてくれているので問題ない。
いつも、MRIを撮る時に言われる、
「撮影の時には絶対に頭部を動かさないで!」
という注意内容に気になっていたことがある。
唾(つば)を飲み込みたくなったらどうすればいいのか?
それを聞いてみた。
「なるべく頭を動かさないように飲み込んでください。できれば機器の音が鳴っていないときに」
とのことだった。
なるほど、確かに、撮影中は「ガ・ガ・ガ・・・・」と音が鳴っている。
音が鳴っていないときには撮影していないわけか。
でも、その音は別にリズムでも何でもないし、トリッキーな間隔だったりするのでやはりタイミングが難しかった。
唾って、気になるとすぐにでも飲み込みたくなるんだなー。
なんどか葛藤したが、結局はゆっくり飲み込んだり、我慢したりの連続だった。
今回の造影剤はあまり「入れられた」という感触はなかった。
前回はキューっと腕を伝わっていく感覚が結構面白かったのだが、今回はそれがない。
慣れてきたのかな?
無事終了して一人で引越し先の西B病棟とやらへ。
しかし、指定された建物には「西B病棟」という看板はない。
なぜ???案内センターの方に聞いて初めてわかった。
「西B病棟」は新しい呼び名というか、臨時的な呼び名らしい。
建物に書いてある文字列は「心臓病センター」・・・うーん。
まあ、脳神経外科の病棟は工事中だというし、ここも今のところは「仮」なんだろうけど、もうちょっと分かりやすくってもよかったなぁ。
受付さんに聞いたらすぐに分かったのでよしとする。
最後の荷物の私が着いて、引越し完了。
建物自体が古いので(エレベーターなんかは動きは怖かったりする)なんとなく、グレードダウンした感じだが、すめば都というし、気にしない。
階が10階から5階になって景色が若干つまらなくなった。
窓からは朝までいた建物が見える。
やはり古い建物のせいか、室内が結構外気温に左右されれやすいようで、それほど暑くはない。
窓も自由に開けられる。
お風呂は予約制ではなく、ナースセンターによる時間割り振り制だそうだ。
荷物の整理をして、昨日友人にいただいた花束をいける。ペットボトルだけど。
窓際に置く。
こういうのがあるっていいね。和む。
少し落ち着いたところで、脳神経外科入院における簡単なオリエンテーション。
また、手術、ICUの説明用紙をいただいた。
手術に臨み、持参するものが増えた。
・ティッシュ1箱
・コップ
・歯ブラシ
・ペットボトル用ストローキャップ
・電気カミソリ(シェーバー)
午後になって妻が来る。
昼に社食で出たというマンゴープリンをくれる。
おくれて兄と母が到着。
夕方5時30分あたりから手術前の説明。
以下、その内容。
東京女子医科大学病院 A先生 術前説明会 聴取結果
日時:2006年11月16日(木) 17:56 - 18:46
場所:西病棟B 5階 脳神経外科病棟
◆現状把握
MRI写真から腫瘍の大きさは3.5cm(長いところ)程度。
前回(8月30日の前の病院で撮影したもの)と比べて大きくなってはいない。
病名は「下垂体腺種」となる。
●視野欠損はなし


腫瘍が大きくなり視神経を圧迫すると、両目共に上方の外側から視野が欠けていくものだが、眼科での検診結果や自覚症状としてはそれは現れていない。
前病院では両耳側半網と診断されたが、かけている部位が逆(左)で異なる。
通常はこの症状が現れる場合、両目ともに外側上部から視野が欠けていく。
MRI写真を見る限り、この症状が出てもおかしくないほど視神経は圧迫されてつぶれて見えなくなっているが、視神経が通常より長く、たわむことによって症状が現れていないのかもしれない。
●ホルモン系はほぼ異常なし
内分泌系のホルモンバランスの検査結果からは、ホルモンが過剰に出ているということはない。
このことから非機能性腫瘍(ホルモン非産生の腫瘍)と言える。
成長ホルモンのみ、出が悪いことが確認された。
これにより、元気が無い、意欲がわかないなどの症状が出ることがある。
実際にそのような症状が見受けられる。
●腫瘍の所見

突然出来た悪性の腫瘍のタイプではないため、長い時間をかけて出来たものだと思われる。
造影剤により見えるようにしたMRI写真から、腫瘍の中に複数個所の出血を認める(黒や白の点に見える部分)。
下垂体腫瘍は出血を起こしやすい腫瘍でもある。
また、今後、大きくなっていくことが予想される。
年齢的なこともあり(若い)、手術をし、可能な限り取り除いたほうがよい。
もし、私が年齢が60代など高齢である場合で、且つ視野欠損やホルモンバランスなどを調べた時にそれほど腫瘍による影響が認められなければ、状況注視ということになるらしい。
◆手術について
今回は鼻から取り出す手術で「だいたい」の腫瘍は取れる。
内視鏡などを用いて可能な限り取り除くが、直視できない部分にも腫瘍があり、すべてを取りきれない可能性もある。
取り残すとそこから出血を起こしたり、腫瘍が大きくなったりすることがある。
◆手術に伴い可能性のある合併症について
1)脳脊髄液の漏れ
脳の下方に穴を開けることになるので、重力によって髄液が多く漏れ出てしまうことがある。
漏れ出るといけないし、また腫瘍を摘出したことにより出来た空洞に他の器官が垂れ下がってきたり侵食してきてもいけないので、本人の腹部の脂肪か、植物性の人工物を、腫瘍を摘出した部分に入れて穴をふさぐ。
また人の血液からつくった「のり」も使う。
本人の脂肪を使用するかどうかは手術中に決め、その場合、盲腸の手術の際と同じ部分(下腹部右側)を2-3cm切開することになる。
H教授先生が女子医大に赴任して以来(1998年6月2日)、下垂体腫瘍の手術は600例ほど行っているが、そのうち、対処が必要なほど髄液が漏れ出てきたのは20例ほどである。
この場合、腰(脊髄)から髄液を100-200cc抜き、脳圧を下げることで漏れ出るのを防ぎ、1-2週間様子を見る。
それの間に穴がふさがることで漏れ出るのが止まれば問題ない。
なお、髄液は1日に500ccほど体内で生産されるので、抜いても問題ない。
それでも止まらない場合は、再手術を行い筋肉を縫い合わせるなどして何が何でも漏れ出るのを止める。
そこまで必要だった例は20例中10例程度。
2)副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)の低下
下垂体を刺激することで副腎皮質ホルモンが落ちることがある。
そうなると非常にまずいので、手術前から補充を行う。
術後は経口での投薬を1-2ヶ月ほどは行うことになる。
最終的には投薬を止めることが出来るだろう。
3)排尿を止めるホルモンの低下
下垂体を刺激することで排尿を止めるホルモン(抗利尿ホルモン)の出がが落ちることがある。
このホルモンを産出する部分は非常にデリケートで、空気に触れるだけでも問題が起こる。
たくさんおしっこが出ることになる。
これを尿崩症(にょうほうしょう)と呼ぶ。
人によって治るまでに、1-2日、1ヶ月あるいは1年かかる場合とまちまちであるが、薬(デスモプレシン)でなんとかできるようになってきている。
出る分だけ、頻繁に水分補給が必要。
4)血管を傷つけることなどによる出血
もし出血がひどい場合は出血により視神経が圧迫され失明する恐れがある。
また、多く出血すると輸血が必要となることがある。
ただ女子医大ではこのようなことは起きてはいない。
5)眼球を動かす神経に触れることによる視覚異常
眼球は左右同時に動くという非常に精巧な動作をしているが、静脈道の中(そば)の眼球を動かす神経に触れてしまうと、このバランスが崩れ、しばらく(1-2ヶ月)は物が2重に見えたりすることになる。
一生懸命に腫瘍を取ろうとするとどうしても触れてしまうことになる。
6)感染症 (主に髄膜炎)
手術によって雑菌が入りこみ、髄膜炎を引き起こす可能性がある。
熱が出たり頭が痛くなるなどの症状。
その場合は抗生物質を投与するなどして治療する。
7)1-2週間はにおいを感じない。
鼻からアプローチするため。
嗅覚は徐々に戻る。
8)外見の変化
器具を入れたほうの鼻の穴が見てわかるぐらい大きくなるが1ヶ月ほどで元に戻る。
◆手術当日(11月20日)の流れ
8:30
前に部屋を出る
10:00
手術開始 (手術前の準備に1時半程度)
13:00-14:00
手術終了(手術の時間は3ー4時間)
15:00ごろ
このころまでに麻酔を覚ます(1時間程度かけて覚ます)
手術終了後、集中治療室に入るが、集中治療室のベットの空き具合と状態によって(異常がなければ)数時間で病室に戻ることになる。
この間にCTを撮ったり、いくつかの検査を行う。
食事は翌日からになるが、水は起きたら飲んでもよい。
◆その他
腫瘍は摘出後すぐに調べる。
(悪性かどうかなど) 病理にかけて詳しく検査をするが、それには10-14日ほどの時間がかかる。
1日2件、週2回のペースで手術をしており私の後にもう1件控えている。
問題なければ術後7-10日で内分泌科へまわりホルモンバランスの負荷試験を行い、都合2週間で退院となる。
主治医の先生は非常にわかりやすく丁寧に説明してくださった。
もう何の不安もない。リスクの話がたくさん出たが、だからってもうやるっきゃないし。
信用してお願いするだけだ。
いろいろ話をして、非常に信頼できると思ったし、自信のある話し振りに、頼もしいと思った。
説明は時間にして質疑応答を含め、約40分程度だった。
その後、母・兄が帰り、夕飯は残った妻と一緒にとる。
妻のお弁当から、勝手に妻の苦手物がトレード要員としてやってきては、数少ない病院食の中でも比較的おいしいおかずが減っていく(笑)。
しかし、シャバの飯は味付けが濃いなー、と思うようになってしまった。
病院食は薄味でヘルシーなのだ。
リスクの話もいっぱいあったが、それ以上に医師を信頼することができたので良かった。
今後のプランがはっきりとわかったので、安心してぐっすり眠れた。
【おまけ病院食コーナー】
16日朝ご飯
16日お昼ご飯
16日夜ご飯
下は机の中の内容。
引越ししたら、まず荷物を引き出しに整頓していく。
3度目なので、大分勝手が分かってきた。
引き出し一番上は、よく使うもの。鍵付き貴重品ボックスもここにあるので、財布などを入れておく。あとはシリコンプレイヤーとか、Mobile関連。電話もここにおいておく。
引き出し真ん中。お箸や塩、ふりかけなどのお食事セットなどを手前に。薬類も手前。奥はあまり使わないけど、たまに使う文房具など。
引き出し一番下。着替えなどのうち、すぐに使うものとか。
(つづく)
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